ヒト幹細胞培養液の効果・由来する幹細胞による違いは?

幹細胞培養液とは
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ヒト幹細胞培養液コスメには、幹細胞を培養するときの培養液が配合されていますが、培養するときに使われる幹細胞には、つぎのようなものがあります。

  • 脂肪(しぼう)由来
  • 臍帯(さいたい)由来
  • 歯髄(しずい)由来
  • 骨髄(こつずい)由来

コスメには、培養した幹細胞そのものが使われるわけではありませんから、どんな培養液でも効果は同じ、と思うかもしれません。

しかし、使われる幹細胞の違いによって、培養液の中に放出されるサイトカインなどの成分にも違いがありますから、培養液の働きはまったく同じではありません。

美容クリニックでも使われるヒト幹細胞培養液

美容などの再生医療の分野でも、ヒト幹細胞培養液(あるいは幹細胞培養上清液)を使用して、つぎのような効果を期待した治療がおこなわれています。

  • 活性酸素の除去
    疲労回復や生活習慣病の予防
  • 抗炎症作用
    傷害・炎症部位の治療
  • 免疫調整作用
    ・アレルギー疾患などの治療
  • 神経細胞修復作用
    ・末梢神経の修復
  • 組織修復作用
    ・コラーゲン合成によるしシワ・たるみの改善

これらの効果は、ヒト幹細胞培養液に含まれる EGF、 bFGF、IGF-1、VEGF などのサイトカインと呼ばれる成長因子や増殖因子の働きによるものです。

サイトカインは、幹細胞を培養するときに培養液中に放出されますが、由来する幹細胞によって、サイトカインの種類などに違いが生じることになります。

再生医療でも、脂肪由来の幹細胞培養液がおもに使われていますが、医療機関によっては、治療目的に応じて、脂肪由来、臍帯由来、歯髄由来など、最も適切なものを使いわけているところもあります。

ヒト幹細胞培養液コスメの価格について

由来する幹細胞の違いは、ヒト幹細胞培養液コスメの価格にも反映しています。

  • 脂肪由来
    ・5千円前後~1万円前後
  • 臍帯由来
    ・5千円前後~1万円前後
  • 歯髄由来
    ・1万円前後~1.5万円前後
  • 骨髄由来
    ・2万円前後~3万円前後

いずれも1ヶ月分の目安ですが、安いものでは数千円から、高いものでは数万円まで。おなじ幹細胞に由来するものでも、その配合量(濃度)や他の配合成分によって、コスメの価格にかなり幅があります。

最も価格が安いのは脂肪細胞由来ですが、多くのコスメには他の美容成分などがあわせて配合されていますから、価格だけではなく、使う目的に合うコスメを選ぶべきでしょう。

4種類のヒト幹細胞培養液について

ヒト幹細胞培養液コスメに配合されるのは、幹細胞を培養するときの培養液です。幹細胞そのものが使われるわけではありませんが、その効果は同じではありません。

再生医療をおこなうクリニックでは、幹細胞培養液療法の目的によって、由来する幹細胞培養液を使いわけているところもあります。

脂肪由来ヒト幹細胞培養液

再生医療でも頻繁に使われる脂肪由来の幹細胞培養液は、多くのヒト幹細胞培養液コスメにも配合されています。

通常、脂肪を採取するドナーには、健康な20〜30代の女性が選ばれ、感染症の有無や遺伝性の疾患などの検査をおこなってから、問題がないことを確認したうえで脂肪を採取し、脂肪細胞をのぞいた幹細胞が培養されます。

細胞は分裂するたびに衰えていきますので、できるだけ若くて健康なドナーが望まれるわけです。

培養液中には、サイトカインや、細胞の増殖や再生にかかわるグロースファクター、インターロイキンやSOD等の酵素などの生理活性物質、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの細胞外タンパク質成分が含まれています。

脂肪由来の幹細胞培養液には、シワや美白など、スキンケア目的として幅広い効果が期待されます。

最近注目されているのがヒト幹細胞エクソソームで、脂肪由来の幹細胞エクソソーム「ヒト脂肪間質細胞エクソソーム」が配合されたコスメが話題になっています。

エクソソームについては、以下の記事を参考にしてください。

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臍帯由来ヒト幹細胞培養液

臍帯(さいたい)は、赤ちゃんが産まれるときのへその緒のことです。

臍帯の幹細胞は、さまざまな細胞に分化する能力(分化能)があり、エイジングも進んでいないと言われており、再生医療の研究でも注目されています。

脂肪由来のものに比べると、臍帯由来の再生因子の濃度がとても高く、有用成分やお肌をととのえる整肌成分が多いのも大きな特徴です。

お肌の線維芽細胞を刺激する成長因子が多く含まれ、肌のハリ、整肌、発毛、育毛など、身体の組織や神経細胞の再生が期待されます。

<臍帯血由来>

臍帯由来のほかに、臍帯血(さいたいけつ)由来のものがあり、こちらは、へその緒の中を流れる血液の幹細胞を使ったものです。

基本的には胎盤まではお母さんの血液ですが、へその緒は赤ちゃんの血液になります。臍帯血整肌因子は、成長因子そのものとも言えます。

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歯髄由来ヒト幹細胞培養液

歯髄由来の幹細培養液には、歯髄細胞と呼ばれるヒトの歯の神経から採取した幹細胞が使われます。

歯髄は、固い歯に囲まれているので、外部からの影響を受けにく、幹細胞の質も非常に良いといわれています。

年齢が若いのほうが良質なサイトカインを含んでいるため、幹細胞培養液には、通常、乳児の歯(乳歯)の歯髄が使われます。

また、歯髄の幹細胞から放出されるサイトカインは、臍帯血由来のものよりも炎症を抑える効果が高く、神経系の修復力に優れているとも言われているようです。

骨髄由来ヒト幹細胞培養液

骨髄由来の幹細胞は、傷ついた細胞からのメッセージを受け取ると、血流にのって全身をめぐり、サイトカインを出して、傷を修復したり細胞の増殖や再生をコントロールします。

皮膚は、紫外線などにより、炎症を起こしやすい細胞の一つで、シミやシワなどのお肌の老化も、この炎症の繰り返しが原因と言われます。

骨髄の幹細胞は、10代から減少すると言われますが、骨髄由来のヒト幹細胞培養液に含まれるサイトカインが、傷ついたお肌の炎症を和らげます

骨髄由来の幹細胞についても、若い年齢層のドナーがもとめられます。ドナーの平均年齢は20歳ぐらいで、他由来の幹細胞と同じく、厚生労働省が定めるヒト由来成分に関するガイドラインにも準じたものが使われています。

まとめ

コスメに配合されるヒト幹細胞培養液は、脂肪由来、臍帯由来、歯髄由来、骨髄由来など、培養される幹細胞の種類によって、培養液中に分泌されるサイトカインやグロースファクターなどの有用成分に違いがあります。

再生医療分野では、治療目的などの応じて、由来する幹細胞培養液を使いわけているクリニックもありますが、多くのクリニックでは脂肪由来のものを使うことが多いようです。

スキンケアなどの美容目的であれば、その効果だけでなく、価格的にも脂肪由来の幹細胞培養液が使いやすいのかもしれません。

コスメに配合されるヒト幹細胞培養液の効果は、角質層までとされています。

医療での治療のように、線維芽細胞のある真皮層に直接培養液を送り込むわけではありませんが、他のコスメと比べて、お肌の変化を実感する方が多いようです。

幹細胞培養液の種類や配合量(濃度)、他の配合成分などをチェックして、肌悩みなど、ご自身の目的にあったヒト幹細胞培養液コスメを探してみてください。

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