ヒト幹細胞培養液を配合した美容液は、以前は「ヒト幹細胞コスメ」とも呼ばれ、今とても注目されています。
幹細胞を培養するときに使われる培養液なので、ヒト幹細胞そのものが使われているわけではありません。
再生医療の分野では、多能性幹細胞であるiPS細胞がよく話題になるので、ヒト幹細胞培養液コスメにも「ips細胞」が入っていると思っている方もいるようですが・・・。
もし幹細胞そのものが使われているとしたら、怖いですね。
医療分野でips細胞を使うことに慎重なのは、細胞のガン化リスクなどを考えてのこと。
幹細胞培養液は、再生医療の現場でも使われはじめていますが、その理由は幹細胞そのものよりはるかに安全性が高いからです。
結論から言えば、幹細胞培養液そのものにリスクはかなり低い、安全性が高いと考えていいようです。
ヒト幹細胞培養液はなぜ副作用が心配される?
ヒトの幹細胞を培養するときに使われる幹細胞培養液には、さまざまな栄養素のほかに、幹細胞で作られるサイトカイン(情報伝達物質)も放出されます。
※引用元:『ディアガイア セルリファクター』公式サイト
ヒト幹細胞培養液が、医療や美容分野で注目されている理由は、皮膚の線維芽細胞のレセプターに直接はたらきかける成分であるサイトカインが含まれているからです。
培養される幹細胞が病原菌に感染している、あるいは培養液に幹細胞が残っているなどすれば、副作用やアレルギー、ガン化するなどのリスクが考えられます。
※引用元:幹細胞・再生医療・薄毛治療「グランプロクリニック銀座」
副作用の可能性がかなり低い無血清培地
幹細胞培養液に、幹細胞そのもののリスクが無いとしても、培養液そのものにリスクは無いの?と思うかもしれません。
たしかに、かつては培地として血清が使われていましたので、感染症などのリスクがありました。
しかし、現在使われている培養液には無血清培地が使われ、副作用やアレルギーが出ないようにリスク管理がされたうえで作られています。
『NANOA』は、ヒト幹細胞培養液コスメの代表的なブランドの一つです。
美容液などに配合されるヒト幹細胞培養液の製造工程
『NANOA』の場合、全工程が日本国内でおこなわれ、医薬品レベルの品質管理が可能なGMP認証工場での製造により、徹底した品質管理がおこなわれています。
ヒト幹細胞コスメに配合される培養液には、厚生労働省が定める「生物由来原料基準」にもとづいて製造されたものが使われます。
培養液そのものの安全性はもちろんですが、培養に使われる幹細胞の提供者の健康などについても厳格な基準がもうけられていますので、重大なリスクは無いと考えていいでしょう。
医療分野で使われはじめた幹細胞培養液
再生医療で、幹細胞を使うためには、培養にかかる費用や人件費などのコストが膨大になるなど、治療する施設も限られてしまいます。
そのため、名古屋大学医学部では、安全性が高い幹細胞培養液を使った治療法を研究していますが、幹細胞そのものを使った場合と同じような結果が得られるとしています。
さらに、注目したいのは、ヒト幹細胞培養液の投与により、移植した細胞が腫瘍になるかもしれないという危険性が完全になくなったとしている点です。
まとめ
ヒト幹細胞培養液の美容分野への応用は、アメリカや韓国ではかなり進んでいますが、日本ではまだこれからの段階です。
しかし、ヒト幹細胞培養液の美容医療や化粧品については、重大な副作用などの報告は無いようです。
スキンケアは、年齢とともに、見た目だけでなく快適な日常生活を送るためにも最大のテーマになってきますが、皮膚のターンオーバーのサイクルを考えると、早目のケアがおすすめです。
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